【現場経験者が話す】小売業界の将来性や課題・これから働く人が考えるべきこと

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買い物袋をいくつか持つ女性 小売業から転職

2020年以降、コロナの大流行で不安視される小売業界。

「このまま働いてていいの?」
「今から入社していいの?」

と思っている方もいるはずです。

実は日本の小売業は、コロナの流行する前からあまり良くありません。

業種別商業販売額 小売業計
経済産業省 商業動態統計 業種別商業販売額及び前年(度、同期、同月)比 のデータ より引用

日本の小売業全体の売上はバブル崩壊を機に、横ばいが続いています。チェーンストアの店舗が増え続けているのに売上が伸びていないのです。

少子高齢化などの原因が度重なり、売上は伸び悩んでいます。この悪い状況の中、さらにコロナの影響が出ています。


決して良いとは言えません。

ただし、
以下の5つを取り組んでいるお店や会社は違います。

少子高齢化に対応
インターネットを使った営業
IT化・自動化
マーケティングを意識した経営
海外出店


1つでも当てはまる会社はこの先、人々から求められ、将来性に満ち溢れています。

1つも当てはまらない会社は、上記の5つのいずれか取り入れることができないか考えましょう。検討さえも難しいなら、あなたが今の会社を出ることを考えましょう。

当記事では国の統計データなどを交えながら、小売業の将来性や課題を解説していきます。

らいく
らいく

元大手ドラッグストア副店長勤務。現在大手企業のポータルサイトのWEBライターとして活動中!

当サイトでは小売業から転職したい人に向け、最高の自分を見つけるための天職情報を発信しています。


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小売業界の実態や現状は?【結論】良くない。売り上げ低迷+コロナの影響

デニムが販売されている売り場


小売業は、メーカーが作った商品を(卸売業社を介して)仕入れて、店舗で販売する業態を指します。

小売業は生活に欠かせないものを販売し、選ぶ楽しさを与えてくれます。以上2点からこの先も職種としてなくなることはないでしょう。


「小売業界はなくなることはない」
と言いましたが、現在、小売業界はあまり良くありません。

小売業界の売上はここ10年で10兆円も伸びていない。

業種別商業販売額 小売業計
経済産業省 商業動態統計 業種別商業販売額及び前年(度、同期、同月)比 のデータ より引用



上記の図は、経済産業省が提供する商業動態統計時系列データをグラフで示したものです。
縦軸が販売額(売上)を示し、横軸が年数となります。1980年~2020年まで42年間の変化となります。

ポイントとなる年の売り上げをピックアップしました。

年数業種別商業販売額の「小売業」の販売額
1980年87兆9200億(円)
1992年
(バブル崩壊)
146兆1700億(円)
2000年139兆4350億(円)
2010年136兆4790億(円)
2017年142兆5140億(円)
2019年145兆0470億(円)
2020年146兆4570億(円)

※1億桁目は「0」で統一


かつて日本の小売業は1980年からバブル崩壊にかけて、60兆円も伸びていましたが、ここ10年はどうでしょう?

ここ10年で、10兆円も伸びていません。ほぼ横ばいです。(バブル崩壊の販売額にやっと戻ったぐらいです)

チェーンストアが勢いよく増えているはずなのに、売り上げが伸びていないのです。


売上が伸び悩む理由として、以下の3つが考えられます。

少子高齢化
顧客ニーズの変化
ネットショッピング需要の増加


どれも重要な課題となっています。
逆に3つの課題と向き合えている企業は大変強いでしょう。

課題については、この後の項目「小売業界は将来どうなる?これからの課題」で深堀りしていきます。

【小売業の離職者数】毎年約6千人辞めている。新卒の人は3年以内で4割辞める

産業別離職状況 表 2017年~2019年
厚生労働省 新規学卒者の離職状況 より引用



続いて働く側の目線に立って、解説していきます。
上記の表は、厚生労働省が提供する2017年~2019年の新規大学卒業就職者・産業ごとの離職者数を示したものです。

福祉・医療や製造業全体に次いで多く、その人数は毎年6千人を超えます。(最新データである2019年はコロナウィルスが流行する前です。2020年以降はもっと多いかもしれません。)

平成29年 入職者と離職者の比率について示したグラフ 3年で4割辞めている


表の2019年の情報をピックアップし、グラフにしてみました。

なんと新卒で入社した人の4割が3年以内で辞めています。
口コミや私の体験を踏まえると、以下の5つを上げることができます。

  • 土日祝日休みづらい
  • 給与が低い
  • 長時間労働
  • 車通勤に時間がかかる
  • 人手不足で激務

らいく
らいく

プライベートを重視した働き方を考えている方には、厳しい条件となっています。今から就業しようとしている方は1度、この5つについては考えるべきです。

特に土日祝日が休みづらい点は、本当につらかったですね。


≫小売業がつらすぎて辞めたい|元大手副店長が今すぐやるべきことを激白!

ちなみに、小売業勤務の辛さについては上記に記載しているので、詳細を知りたい方はあわせてご覧ください。

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小売業界は将来どうなる?これからの5つの課題と将来性

スーパーマーケット お酒売り場の風景



売上が伸び悩む小売業界ですが、以下の5つのどれかを考えていくことは非常に大切です。

これから紹介する5つの課題と向き合っている会社は非常に強いでしょう。

少子高齢化に対応



既に始まっている少子高齢化および人口減少ですが、これからさらに激化します。

上記のグラフは内閣府が掲示しているものです。

2020年の人口は1億2751万人ですが、その45年後、2065年には1億人を切り、8808万人と予想されています。そして、この人口の38%が65歳以上という衝撃的な人口割合に。


特に人口減は、小売業に大打撃を与えます。ターゲットを意識した営業、高齢の方に寄り添った経営が求められます。

インターネットを使った営業



ここ年々需要が伸びているのがネット販売です。

上記のグラフは、総務省統計局が提供している「ネットショッピング利用世帯の割合の推移(世帯主の年齢階級別)」を示したものですが、全世代でネットショッピングを利用する方が増えていることが分かります。

2020年にはコロナの外出自粛による巣ごもり需要で、ネットショッピング利用率も急上昇しています。

この先、小売業はネットでの販売を上手に活用していかないと大変厳しいです。

IT化・自動化

セルフレジを操作する男性の手



IT化・自動化(機械化)を進めることは今後もずっと求められます。

確実に減っていく人口に対して、機械化を進めなければスタッフ不足の課題にずっと追われます。

また世の中のIT化についていけず、売上を取りこぼしてしまうことなんて全然ありうるのです。


特にキャッシュレス化(電子マネー支払い)はどんどん増えていくでしょう。



上のグラフは経済産業省が提供するキャッシュレスの需要について示したグラフです。

2010年~2019年までの間のデータとなっていますが、グラフが右肩上がりなのが分かります。2020年には、日本の個人消費に占めるキャッシュレス決済が29.7%という数字を記録しました。

10人のうち3人がキャッシュレスなのです。キャッシュレスに対応しないと、10人来店しても、3人の売上を逃すことも考えられます。

マーケティングを意識した経営

ターゲットを意識した経営はこれからも必要不可欠です。

「人口減少」「ネットショッピング需要増加」により、お店に来店する人は確実に減ります。絶対数が減れば、当然売上も下がります。

そこで大切なのがリピーターの確保。

あるお客さんが何度も来店するようになれば、売上の大幅な下落は避けられます。そのためにもターゲットを意識した営業や販売をすることは必ず必要となります。

海外出店

ヨーロッパにある和食レストラン



海外に目を向けている会社も今どんどん増えています。日本以外に目を向けることで、新たなファンやお客さんを取り入れることもできるようになるかもしれません。

ちなみに日本の小売業の売上ランキングトップ5の会社は全て海外出店をしています。


また、100円ショップでお馴染みのダイソーの海外事情を知って欲しい。じつはダイソーは現在海外に2248店舗しています!(26の国と地域)

海外展開に成功している会社は大変強いです。

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小売業界の売上ランキングトップ5の企業は?

色鉛筆で描かれた3つの折れ線グラフ



日本の小売業をけん引する売上ランキングトップ5の会社を紹介します。

小売業売上ランキングトップ5


1.イオン
8.6兆円


2.セブン&アイ・ホールディングス
5.7兆円


3.ファーストリテイリング
2兆円


4.ヤマダホールディングス
1.7兆円


5.パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
1.6兆円


売上が高い(うまくいっている)お店は、何かしら飛び抜けているところや、戦略があります。これから小売業界に就業予定の方は以下の5社のどこがいいか考えてみることがおすすめです。

イオン 8.6兆円

日本各地に商業施設やスーパーを展開する会社。たくさんのお店があり、見る楽しさを与えてくれている。ただモノを売るだけではない。「買い物を楽しむための空間を売る」のが競合にはない良さ

セブン&アイ・ホールディングス 5.7兆円

「セブンイレブン」「イトーヨーカ堂」などの有名店舗を展開する会社。なんたって強みはPB品。自社ブランドや色を確立することでファンや顧客獲得を実現しています。

ファーストリテイリング 2兆円

世界レベルのアパレルショップ「ユニクロ」を展開する会社。他に「GU」も出店している。機能性・多様性・トレンドを常に追っている。マーケティングと海外への意識がすごい。

ヤマダホールディングス 1.7兆円

「ヤマダ電機」を中心に店舗を展開するお店。過去に「大塚家具」の買収もあり、家具の販売もしている。最近はリフォームにも力を入れており、トータルコーディネートもできるようになっている。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 1.6兆円

超有名店舗「ドン・キホーテ」を全国に展開する会社。商品の取り扱いが豊富で、選ぶ楽しさ・探す楽しさが満載。「お客様第一主義」「社員に任せる」スタイルで、ずっと成長し続けている。

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小売業界で働くうえで意識して欲しいこと3つ

男性客に接客する女性定員



小売業界で働く・働きたいと思っている方は以下の3つを意識して働いてみましょう。

就職する会社を選ぶ
スキルや実績、経験を積む
経営の仕方を学び、独立を目指して働く


では、それぞれ深堀りしていきます。

就職する会社を選ぶ

いろんな選択がある中へ踏み込もうとするイメージ画像



小売業に就職するなら、入社する会社も選んでいきましょう。
先ほど紹介した5つの課題のうち1つでも力を入れている会社があるなら、そこはおすすめです。

特に

  • 少子高齢化・人口減少
  • IT化・自動化(機械化)


上記はすでに始まっているので、会社を見るときのポイントに加えた方がいいでしょう。

10年先、50年先もこの会社は残っていくか
そういう視点で就職活動するのが大事です。


「すでに入社していて、この先不安だから小売業から転職したい」という方は転職サイトや転職エージェントを利用して転職活動を始めましょう。

≫【20代×未経験】おすすめの転職サイト・エージェント10選‼

小売業や未経験職種に挑戦する方に向け、転職サイトをまとめています。

スキルや実績、経験を積む

Skill up と書かれたタグがついた鍵



働きながら経験や実績を作っていくことは必須です。

社内でのキャリアップはもちろん、転職に実績は必要になります。特にその実績を数値で示せるように日頃から考えていきましょう。

もし、これから転職前提で働いていくなら、異業種にも通用するスキルが必要になります。小売業で身につくスキルは独特で、異業種転職には不利なことがあります。

実際、転職活動を始める時に困らないように、普段から休みの時間でスキルを身につけていきましょう。

オンラインセミナーに参加している



最近はオンラインセミナーやオンラインサロンもあるので、このような場を活用するのもおすすめです。

経営の仕方を学び、独立前提で働く

小売業で働きながら、経営について学ぶこともしていきましょう。

  • モノがどのように売れるか
  • スタッフさんにどう動いてもらうか
  • 在庫をどうコントロールするか


小売業で働くと、上記の3つが分かるようになります。

店長や副店長になった時に困らないのはもちろん、会社経営・自営業を目標している方には大変意味のあるものになります。

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厳しい小売業界。その中でも課題と自分に向き合う

ProblemとSolutionと書かれたタグがぶら下がっている



小売業界は働く側・会社側どちらも厳しいのが現状です。

現在就業している会社が以下の5つの課題と向き合えているかを一度考えましょう。

少子高齢化に対応
インターネットを使った営業
IT化・自動化
マーケティングを意識した経営
海外出店


まだ入社前で、業界研究・就職活動する場合は、上記の5つの課題を意識してやってみましょう。

すでに今働いている方は以下の3つのことを考えながら働いてみましょう。

就職する会社を選ぶ
スキルや実績、経験を積む
経営の仕方を学び、独立を目指して働く


どれも必ず自分へプラスに働きます。
小売業の経験を過程にして、自分の目標実現のために働いていきましょう。

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